残暑の駅
立秋とは名ばかりの暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
故郷では、微かに近づく秋の足音が感じられましたが、こちらに戻るとうだるような暑さで、まるで季節が逆戻りしたかのようです。
それでも、盛夏の頃と比べると汗をかくことも幾分少なくなったようです。蝉の声もいつしか聞こえなくなりました。
さて、私は現在、電車で少し遠いところまで行こうとしております。
駅のホームで電車を待っておりますと、線路が両脇の木々の緑と共に陽の光に照らされて、空は青く、大変くっきりとした鮮やかな風景が広がっておりました。夏は色彩が鮮やかであります。
しかしこの色彩、この暑さの中に立っていましても、続く線路を眺めていますと、不思議と秋の気配を感じます。どこか遠くへ続く線路が、まるで秋へと続いているようだと思いました。何故だかそう感じました。今年、夏の思い出をくれた遠い故郷を思い出したのでしょうか。カントリーロードでしょうか。
でも、考えてみるとそうなのです。
土地と土地とを繋ぐ線路は、季節と季節を繋いでいるのです。
駅のホームは強い日照り。
鮮やかで息苦しい。
でも、故郷へと続く線路をたどると、そこは秋なのですね。
今日は、残暑見舞い風に書いてみました。
さまざまな形で情報を発信できる今、あえて手紙でご機嫌伺いをすることは少なくなったように思います。
でも、お手紙や葉書って、ロマンがあっていいですよね。
実り多き秋に向かって、元気に過ごされますよう。
半澤