好きなことのためだけに。
と言いますのは、その時、その瞬間夢中になっていることのためだけに、という意味なのであります。
そのためだけの命だったなら良かったのに、と、思うことがあるのでございます。
例えば、芝居の話に夢中になって深夜まで話し込んだとき。
夜は更けていきます。
そして夜は明けていく。
明日がやってくると、私はまた別のことを考えて生きていかなきゃいけない。
そのために体力を残さなければならない。
それって、芝居に夢中になっているその時の私には非常に煩わしく非情な現実なわけで。
好きなことのためだけに体力をゼロまで削ってあとはぶっ倒れてしまいたい。
のたれ死んでしまいたい。
それができたらどんなにいいかと思うわけなのであります。
でもそれができないのは、毎日が大事な日だから。
明日の事は明日の自分に任せて、今は今の自分が満足するまでやり尽くす。
好きな考え方です。
そうやって、たびたび明日の自分に迷惑をかけて生きている私でありますが、結局のところ今の自分もこの先の自分も、ひとりの自分なわけで。
昨日の自分のせいで今日の自分がやりたいこともままならないという時もあるわけで。
つまりは、ひとつの目的のためにひとつの命が持てたらいいのに!!
という事。
今日もまた、戯曲の素敵な案が浮かんでいまして、しかしながら、明日は明日で楽しみたい事、やらねばならぬこと、山積み。
充実していて結構なのですが、
とりあえず、この頭の中をこれから何時間かかってでも形に書き起こす、そのためだけの命が欲しい。
そして、夜が明けたら、1日を全うしてくれる別の新しい命が欲しい。
さあ、無理な話ですね。残念なことに。
賢くて、体力残して、明日のために、中途半端な今日なんて、くそくらえ。
その時、夢中になっていることのために、その時は命を燃やしたいよ。
好きなことのためだけの命でありたいよ。